- iMovieで動画編集を始めてみたい。
- 初心者だけど簡単に動画編集できるの?
この記事では、初めてiMovieを使って動画編集を始める方に向けた記事になっています。
今まで動画編集をしたことがない方でも、iMovieの使い方をマスターすることで、基礎的な編集スキルを身に付けることができます。
初めての方に向けて、アプリ立ち上げから、プロジェクト作成、編集作業と順を追って解説しています。
無料で始めることができ、編集の流れやインタフェースは他の編集ソフトと大差ないため、今後本格的に動画編集にチャレンジする練習にも最適です。
是非、読みながら実践してみてください。
Contents
- 1 iMovieとは
- 2 iMovieの動作環境
- 3 iMovieの特徴
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4 iMovieで動画編集を始めよう
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4.1 プロジェクトを作って動画編集の準備をする
- 4.1.1 iMovieの起動
- 4.1.2 プロジェクトの新規作成、編集画面の構成説明
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4.2 タイムライン上でのクリップ(動画)の基本操作
- 4.2.1 タイムラインへの配置
- 4.2.2 クリップ(動画)のトリミング
- 4.2.3 クリップ(動画)の分割
- 4.3 タイトルを挿入する
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4.4 クリップ(動画)間にトランジションを設定する
- 4.4.1 トランジションとは
- 4.4.2 トランジションの設定方法
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4.5 映像にBGMをつける
- 4.5.1 BGMの挿入
- 4.5.2 BGMの音量調整
- 4.5.3 クリップのオーディオの切り離し、削除
- 4.5.4 BGMのフェードイン・フェードアウト
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4.6 クリップの加工
- 4.6.1 色補正
- 4.6.2 クロップ
- 4.6.3 手ぶれ補正
- 4.6.4 ボリューム
- 4.6.5 ノイズリダクション
- 4.6.6 速度
- 4.6.7 クリップフィルタとオーディオエフェクト
- 4.7 編集したクリップを保存(書き出し)する方法
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4.1 プロジェクトを作って動画編集の準備をする
- 5 iMovie使い方完全ガイドまとめ
iMovieとは
調べられて知っているかと思いますが、まずは使用する動画編集ソフトを紹介していきます。
iMovie(アイムービー)とは、Appleの動画編集ソフトの1つです。
同じアップルの動画編集ソフトであるPremiere Proよりはコンシューマー向けで、編集の自由度は劣りますが、直感的な操作で簡単に映像作品を作ることができます。
コンシューマー向けと言われていますが、エフェクト機能や出力するファイル形式、YoutubeやFacebookへの直接アップロードなど、機能は多岐に渡ります。
iOS版も配布されており、iPhoneでも編集作業が可能です。
※macOS版より使用できる機能や用意されているテンプレートの種類が少ないなどの違いがあります。
この記事では、macOS版のiMovieを使った動画の編集方法を分かりやすく紹介して行きます!
iMovieの動作環境
この記事ではiMovie10.1.11のバージョン(2019/5時点の最新)を使用して説明します。
iMovie10.1.11を動作させるには、Mac OS 10.13.6以降が必要になります。
インストール、もしくはバージョンアップはこちらのApp Storeからどうぞ。
バージョンを合わせたい方は、macOSのソフトウェアアップデートを行い、App Storeより最新のiMovieインストール/バージョンアップを実施しましょう。
iMovieの10系であれば、多少バージョンが異なってもインタフェースや機能に大きく違いがあるわけではないので、そのまま進めてもらっても問題ありません。
iMovieの特徴
作業に入る前にiMovieの特徴を紹介します。
主にiMovie 10系以降の特徴です。
- 4K対応
4K解像度の動画を編集、書き出し、および再生することが可能。 - 予告編の作成
映画などにある予告編を作成することができる機能。予告編のテンプレートが15種類あり、映像を当てはめていくことでクオリティの高い予告映像が作成可能。 - ワンステップエフェクト
映像に合ったエフェクトをワンステップで適用できる機能。エフェクトをかけたいビデオクリップから、12種類以上そろったエフェクトの中から好きなものをクリックして選ぶことが可能。 - SNSへの連携
Facebookで共有したり、YouTubeといった動画投稿サイトにムービーを投稿することが可能。 - プロジェクトの共有
iMovieプロジェクトをiCloud Driveで共有することにより、iPhone/iPadで撮影、編集した動画の仕上げをMacで行うなど、シームレスな連携が可能。
つまり、無料とは思えないほど使い勝手の良い編集ソフトであると言えます。
iMovieで動画編集を始めよう
ここからは実際の操作画面のキャプチャを使って、iMovieの使い方を紹介していきます。
大きく分けて以下の内容について順に説明していきます。
- プロジェクトを作って動画編集の準備をする
- タイムライン上でのクリップ(動画)の基本操作
- タイトルを挿入する
- クリップ(動画)間にトランジションを設定する
- 映像にBGMをつける
- クリップの加工
- 編集したクリップを保存(書き出し)する方法
プロジェクトを作って動画編集の準備をする
動画編集に入る前に、プロジェクトを作成します。
プロジェクトとは、読み込んだ動画の編集、音楽やエフェクトの挿入などの編集作業を管理する1つのフォルダみたいなものです。
「1つの映像作品=1プロジェクト」の単位で管理することになります。
iMovieの起動
それでは早速iMovieを起動して編集作業をしていきましょう。
Macであれば「F4」キーを押すと、アプリケーションの一覧が表示されます。
その中からiMovieをクリックして起動します。
プロジェクトの新規作成、編集画面の構成説明
起動後、①プロジェクトを選択します。
初めてプロジェクトを作成する場合は、②の新規作成をクリックして進みます。
次回以降は作成したプロジェクトが表示され、クリックすることで編集作業を再開することができます。
次に、新規作成をクリックすると「ムービー」、「予告編」が選択可能となります。
「ムービー」を選択して次に進みます。
動画を編集するための画面が起動します。
編集画面は3つのパネルで構成されています。各パネルの概要は以下の通りです。
- ライブラリ
動画や静止画などのメディア、音楽の読み込みを行うパネル。タイトルや背景、トランジションも様々なパターンがライブラリに準備されている。 - タイムライン
ライブラリからメディアをドラッグ&ドロップで配置し、1つの映像作品に繋げていくパネル。クリップの長さの調整やエフェクトの適用などはタイムライン上で行っていきます。 - ビューアー
タイムライン上に配置した映像が映しだされるパネル。カラーやサイズなど、見た目の部分を調整することも可能。
メニューに保存ボタンはなく、作業する度に自動で保存されます。ショートカットキーの「command + s」でも保存は機能しません。
続いてプロジェクト名の変更を説明します。
新規作成時のプロジェクト名は「マイムービー」になっています。
プロジェクト名は①の「< プロジェクト」ボタンでプロジェクト一覧に戻る際に、上図②のように変更を求められます。(初回のみ)
変更した名称でプロジェクト一覧に表示されます。
タイムライン上でのクリップ(動画)の基本操作
プロジェクト作成が終わったら、動画の編集に入っていきます。
編集ソフトでは、タイムライン上に配置した動画のことを「クリップ」と呼びます。
まずはライブラリに使用する動画や画像を読み込みます。
「メデイアを読み込む」をクリックします。
自身のPCに保管されている編集対象のメディアを選択して、「選択した項目を読み込む」をクリックします。
キーボードのcommandを押しながらクリックすることで、複数選択することができます。
選択したメディアがライブラリに読み込まれて表示されます。
タイムラインへの配置
続いてライブラリに読み込んだ動画を使って、1つの映像作品にしていきます。
対象の動画をタイムラインへドラッグ&ドロップで順番に配置していきます。
考えた構成に沿って動画を並べていき、タイムライン上で前後に順番を入れ替えたりして調整していきます。
クリップ(動画)のトリミング
ほとんどの場合、元の動画の再生時間を全て使うことはなく、必要なシーンだけを繋ぎ合わせていきます。クリップの前後の不要なシーンを削る作業をトリミングと言います。
トリミングはクリップをマウスで選択し、クリップの端から表示させたい位置までクリックした状態で動かすことで行います。
クリップの前後をトリミングすることで、開始終了時間を調整し、使いたいシーンのみをタイムライン上に残すことができます。
クリップ(動画)の分割
トリミングはクリップ前後の不要シーンを削るためでした。
分割は1つのクリップを2つに分ける編集作業です。
あるクリップの間に別のクリップを挟みたい時や、途中の1シーンだけ削除したい場合など、分割が必要になってきます。
同じ映像を2つ配置してトリミングだけで実現することも可能です。やりたい事に合わせて、トリミングと分割を使い分ける事で効率よく編集できます。
分割は以下の手順で行います。
分割したいクリップを選択し、切り離したい場所までマウスでカーソル(上図①の縦線)を持ってきます。
「control + クリック」でメニューを出し、「クリップを分割」を選択します。
カーソル位置で分割され、切り離されたクリップをドラッグ&ドロップで移動することができるようになります。
タイトルを挿入する
続いてタイトルの挿入方法を説明します。
iMovieでは30種類のテンプレートが準備されています。文字通り映像タイトルとして使用できるものや、エンドロール、テロップとして使用できるものもあります。
以下の動画に、iMovie10.1.11で用意されているタイトルテンプレートの再生イメージを見ることができます。
※30種類分のタイトル再生イメージが順に2回ずつ流れます。7分半あるので、時間ない方は飛ばしてください。
実際にタイトルの挿入、編集方法を説明します。
ライブラリの「タイトル」タブを選択します。
タイトルテンプレートから使用したいものを選んで配置します。
今回は「ドリフト」と呼ばれるテンプレートをサンプルとして使用します。
「ドリフト」のタイトルをタイムラインにドラッグ&ドロップで配置します。
上図①・②の通り、ドロップする位置によって以下のようになります。
- ①クリップ上にタイトルが表示される
- ②黒背景上にタイトルが表示される
映像作品によって、使い分けてみてください。
※以降の説明は①のパターンで説明します。
配置したタイトル(①)をダブルクリックすることで、ビューア側(②)で文字を編集することができます。
タイトルを修正します。
字体やフォントサイズ、太字やフォントカラーは赤枠内のメニューから変更することができます。
最後にタイトルの長さを調整します。
タイトルのクリップを選択し、クリップの端を掴んで左右の長さを調整します。
クリップ(動画)間にトランジションを設定する
トランジションとは
トランジションとはクリップとクリップの間に挿入し、画面切り替え時の演出として用いられます。
クリップの間に挿入するだけで、滑らかな画面切り替え、またはシーン変更を強調した切り替えなど、映像の展開に合わせた切り替えを演出できます。
macOSのiMovieでは、24種類のトランジションが用意されています。
どのような切り替え演出があるのか、以下の動画に24種類すべてのトランジションを紹介していますので、確認してみてください。
※2つのクリップの間にトランジションを挿入し、交互に切り替えをしています。再生時間は約2分ほどです。
トランジションの設定方法
用意されているトランジションがどんなものかお分かりいただけたでしょうか?
この章では実際にトランジションの挿入手順を紹介していきます。
ライブラリの「トランジション」タブをクリックし、挿入する対象のトランジションを選択します。
上図では、「波紋」のトランジション演出をサンプルとして挿入します。
クリップとクリップの間に対象のトランジションをドラッグ&ドロップで挿入します。
トランジションには継続時間を設定できます。
継続時間とは切り替え演出のクリップの重なる時間を指していて、長く設定するほど切り替えに時間を要します。
デフォルトでは1秒に設定されているので、シーンやトランジションの演出に合わせて調整して下さい。
変更方法はトランジションを配置したクリップ間の▶︎◀︎マークをダブルクリックして、継続時間を修正して「適用」ボタンを押します。
「すべてに適用」ボタンを押すと、他のクリップ間のトランジション継続時間を一律で修正した秒数に変更できます。
映像にBGMをつける
iMovieでは簡単にBGMを設定することができます。
自身のMacに入ってる音楽から選んで挿入することができます。
BGMの挿入
ライブラリの「オーディオ」タブをクリックします。
使用したい曲を選択し、クリップより下のタイムラインに音楽を再生したい位置までドラッグ&ドロップで配置します。
動画のクリップと同様に、音楽のクリップも長さを変えることができます。
音楽クリップを選択し、端をクリックした状態で左右に動かすことで再生時間を調整します。
BGMの音量調整
動画のクリップに音声が含まれている場合、音楽クリップの方が音量が大きく、肝心のセリフが聴こえなかったりします。
BGMとして、音量を小さくしたい場合は、上図赤矢印が指す横線(この位置が音量100%)を緑の矢印方向に下げることによって、音楽クリップのみ音量を抑えることができます。
クリップのオーディオの切り離し、削除
動画クリップ側の雑音や音声を無くしたい場合は、対象の動画クリップを「command」ボタンを押しつつクリックし、上図のメニューを表示します
「オーディオを切り離す」を選択することで、動画内の音声のみ、クリップ下に配置されます。
切り離して配置された音声クリップを削除することで、動画クリップを無音にし、配置したBGMを目立たせることができます。
BGMのフェードイン・フェードアウト
映像の冒頭で徐々に音量を上げる、または最後に段々音量を下げる、という演出は映画でもよく使われています。
フェードイン・フェードアウトは音楽にも適用することができます。
実際のやり方については、音楽クリップの両端の丸い部分を動かして調整します。
カーブを緩やかにするほど、音楽も緩やかに音量を上げる/もしくは緩やかに音量を下げる、ことが可能です。
クリップの加工
iMovie(macOS版)で用意されているクリップの加工作業を紹介します。
タイムライン上の対象クリップを選択して、クリップの加工はビューアーパネル上で行います。
カラーバランス
ビューアーパネルの赤枠線内の「カラーバランス」マークをクリックします。
「自動」をクリックすると、クリップを判断して、映像の品質を自動的に向上させます。
他の「マッチカラー」、「ホワイトバランス」、「スキントーンバランス」は選択するとマウスがスポイトに変化し、選択したカラーをベースに補正してくれます。
どのように変化するかは試して実感してみてください。
色補正
ビューアーパネル上で赤枠線内の「色補正」マークをクリックします。
上図の矢印の方向に動かして、暗い領域/明るい領域の明るさを調整したり、クリップの鮮やかさを調整できます。
クロップ
クロップとは切り抜きを意味します。
ビューアーパネル上で赤枠線内の「クロップ」マークをクリックします。
デフォルトでは「フィット」に設定されていて、画面表示サイズがクリップの画面サイズに合っている状態です。
「サイズ調整してクロップ」をクリックすると、クリップの大きさを調整できます。(1枚目)
マウスで表示領域を拡大・縮小することで、2枚目のように切り抜いた範囲のサイズで再生できます。
手ぶれ補正
iMovieでは手ぶれ補正機能も付いています。
ビューアーパネル上で赤枠線内の「手ぶれ補正」マークをクリックします。
「ビデオの手ぶれを補正」にチェックを入れることで補正をオンにできます。
パーセンテージを大きくすることで大きな揺れを補正することができます。動画内の揺れに合わせてパーセンテージを調整します。
ボリューム
タイムライン上でクリップのボリュームを調整する方法を説明済みですが、ビューアーパネル上でも調整ができます。
ビューアーパネル上で赤枠線内の「ボリューム」マークをクリックします。
デフォルトでは100%になっているので、0%〜400%の間で調整します。
ノイズリダクション
ノイズリダクションをオンにすることで、クリップのノイズを抑えることができます。
ビューアーパネル上で赤枠線内の「ノイズリダクション」マークをクリックします。
「背景ノイズを軽減」にチェックを入れ、パーセンテージで軽減量を調整します。
屋外の撮影などで雑音がたくさん入っていて、取り除きたいときに使えます。
速度
クリップの再生速度を加工できます。
ビューアーパネル上で赤枠線内の「速度」マークをクリックします。
「速度」のドロップダウンから、遅く・早く・フリーズフレームが選択できます。
遅く・早くを選択した場合は、遅くする割合、何倍速かを選択できるようになります。
フリーズフレームはビューアに表示されたフレームで停止状態をキープできます。選択した場合、何秒間停止するか継続時間を設定します。
「逆再生」のチェックを入れるだけで、逆再生も簡単に設定できます
クリップフィルタとオーディオエフェクト
クリップの見た目を替えるフィルタとオーディオにエフェクトをかけることができます。
ビューアーパネル上で赤枠線内の「クリップフィルタとオーディオエフェクト」マークをクリックします。
「クリップフィルタ」(1枚目矢印)と「オーディオエフェクト」(2枚目矢印)をそれぞれクリックすると、用意されているフィルタ・エフェクトが表示され、選択することができます。
色々な種類があるので、映像ストーリーに合わせて適用してみてください。
編集したクリップを保存(書き出し)する方法
クリップの編集作業が完了すれば、いよいよ1つの映像作品として、動画ファイルへの書き出しを行います。
書き出した動画ファイルを使って、DVDに焼いたり、YouTubeにアップしたり、SNSで友人に送付したりできるようになります。
動画ファイルとして、自身のパソコンに保存する手順を紹介します。
「ファイル」→「共有」→「ファイル」の順に選択していきます。
保存に関する内容のウインドウが立ち上がるので、以下に合わせて変更して、「次へ」をクリックします。
- 動画の再生時間
- 書き出す動画ファイルの容量予測
- フォーマット →ビデオとオーディオ、オーディオのみが選択可能
- 解像度 →原則クリップの最適な解像度になっているので変更は必要なし
- 品質 →デフォルトは「高」。「最高」にすると、②の容量予測が大幅にアップする。容量に問題なければ「最高」でもOK
- 圧縮 →デフォルトは「高速」。「品質優先」にすると書き出し時間が長くなるが、品質は高速よりは優先される。
ファイル名、保存するフォルダを選択して、「保存」をクリックします。
元の編集画面に戻ります。
書き出しの進捗はウインドウ右上に表示されます。
保存が完了すると、メッセージが表示されます。
指定したフォルダに動画ファイルが保存されています。
iMovie使い方完全ガイドまとめ
初めての方向けにiMovieを使った編集方法の解説でした。
動画編集としても基本的な内容ですが、iMovieでできることは解説した以下の内容でほとんど網羅しています。
- プロジェクトを作って動画編集の準備をする
- タイムライン上でのクリップ(動画)の基本操作
- タイトルを挿入する
- クリップ(動画)間にトランジションを設定する
- 映像にBGMをつける
- クリップの加工
- 編集したクリップを保存(書き出し)する方法
実践いただければもう立派な動画編集者です。
是非、作品づくりにチャレンジしてみて下さい!
また、iMovieに慣れてきてしまった場合はより柔軟な編集が可能なPremiere Proをオススメしているので、合わせて確認してみてください。